黒ひげ海賊団は「能力者狩り」を生業とする凶悪な集団であり、本来であればモリアの強力無比なカゲカゲの実も即座に奪われて命を落としていても不思議ではありませんでした。しかし、なぜ彼は生かされていたのでしょうか。
その最大の要因は、カゲカゲの実という能力の極めて特殊な性質にあります。影を切り取って死体へ注入しゾンビを生み出すプロセスや、影を抜き取られた本人が日光で消滅してしまう仕様など、この能力は使用者の高度な技術と仕様理解に依存しています。単に能力者を殺害して悪魔の実をリサイクルするよりも、モリア本人を屈服させて従属させる、あるいは死者蘇生技術の実験台として利用価値を値踏みしていた可能性が極めて濃厚です。
この幽閉状態を打ち破ったのが、クライガナ島でミホークの庇護を離れ、新聞報道を頼りにハチノスへ潜入したペローナでした。ペローナのホロホロの実による霊体離脱は偵察・潜入において無類の強さを誇ります。彼女は収監されていたコビーに対し、「モリア様を逃がす手助けをするなら、鍵を外してやる」と持ちかけました。このペローナ、コビー、モリアの利害の一致こそが、死の島からの奇跡的な脱出劇を成立させた決定打となったのです。