「伊藤園の健康ミネラルむぎ茶を飲み過ぎると体に毒になる」という言説は、一体どこから生まれたのでしょうか。Web検索動向や知恵袋、SNS上の投稿を精査すると、消費者が抱く懸念には主に3つの要因が存在することが判明しました。
第1の要因は、「ミネラル」という商品名から連想される塩分(ナトリウム)の過剰摂取リスクです。スポーツドリンクや経口補水液のイメージと混同し、「毎日何本も飲むと塩分過多で高血圧を招くのではないか」と警戒する声が少なくありません。しかし、実際の製品に含まれる食塩相当量は100mlあたり0.03g程度とごく微量であり、通常の食事摂取基準に影響を与えるレベルには到底達していません。
第2の要因は、腎臓病患者におけるカリウム制限との混同です。麦茶には大麦由来の微量なカリウムが含まれているため、「カリウムの過剰摂取で腎臓に負担がかかる」という言説が一人歩きしてしまいました。健康な成人の腎機能であれば余剰なカリウムは尿中に自然排泄されますが、医療情報の一部が文脈を無視して一般向けに拡散した結果、過度な不安を生んでいます。
第3の要因は、冷たい麦茶を一気飲みすることによる急性的な胃腸トラブルです。特に猛暑期、冷蔵庫で冷やした麦茶を短時間で1〜2リットルもがぶ飲みすれば、浸透圧や成分に関係なく、胃腸の急激な冷却によって下痢や腹痛を引き起こします。これが「健康ミネラル麦茶を飲んで体調を崩した」という体験談としてネット上に蓄積されたのが真相です。