医薬品の世界における「飲み合わせ」とは、専門用語で薬物相互作用(Drug Interaction)と呼ばれます。複数の薬を同時に、あるいは時間を空けずに服用した際、一方の薬がもう一方の薬の吸収、代謝、排泄を変化させ、期待される効果が増大しすぎたり、逆に減弱したりする現象を指します。
特に絶対に避けなければならないのが併用禁忌(へいようきんき)に指定されている組み合わせです。これは製薬会社が作成する添付文書において「投与してはならない」と明記されているレベルの警告であり、過去の臨床試験や市販後調査で重篤な副作用や死亡事故が確認されている組み合わせを指します。一方、併用注意は医師や薬剤師の厳重なモニタリングのもとであれば処方される場合もありますが、患者自身の自己判断による併用は禁物です。
日本OTC医薬品協会の調査データを分析すると、日常的に市販薬を服用している生活者の約38.5%が「他の薬との成分重複や相互作用を深く確認せずに購入・服用した経験がある」と回答しています。処方薬だけでなく、ドラッグストアやオンラインで購入した市販薬や健康食品が体内で混ざり合う環境は、日常のあらゆる場面に潜んでいます。