「生まれつき細い髪を太くすることは可能なのか」という問いに対し、皮膚科学および毛髪解剖学の回答は「遺伝的な毛包の最大サイズ以上に太くすることはできないが、本来の太さと強度を取り戻し、見た目のボリュームを倍増させることは可能」というものです。
毛髪の太さは、頭皮内部にある毛包(毛根を包む組織)の断面積と、毛乳頭細胞の数によってあらかじめ遺伝的にベースが決まっています。日本人の平均的な毛髪の太さは約0.07mm〜0.08mmとされていますが、猫っ毛や軟毛と呼ばれる毛髪は0.05mm〜0.06mm以下です。この基本設計そのものを薬剤や施術で物理的に2倍の太さに改造することは現在の医学でも不可能です。
しかし、ここで極めて重要な事実があります。多くの人が「自分の髪は生まれつき細い」と思い込んでいるものの、実際には紫外線ダメージ、頭皮の硬化、栄養の偏り、ホルモンバランスの乱れによって、本来の太さの60〜70%程度に痩せ細っている(軟毛化している)ケースが大多数を占めているという点です。
毛髪の約85〜90%は「ケラチン」と呼ばれる硬質タンパク質で構成されています。適切な頭皮血流と十分な栄養供給によってケラチンの充填率を高め、キューティクルの密着性を改善すれば、1本1本の毛髪に強靭な弾力と立ち上がりが生まれます。毛髪の直径がわずか0.01mm太くなるだけで、全体の断面積は約25〜30%増加し、指通りや視覚的なボリューム感には劇的な変化が現れます。