メディアで三兄弟が紹介される際、ファンの間でしばしば疑問や関心を集めるのが「なぜ弟2人が関脇や優勝経験者なのに、長男の若隆元だけが幕下に留まっているのか」という番付の差です。
学歴と入門時期の違いを検証すると、その背景が見えてきます。長男の若隆元と次男の若元春は、学法福島高校相撲部を経て高卒と同時に2011年11月場所に初土俵を踏みました。一方、三男の若隆景は名門・東洋大学に進学し、学生横綱に輝くなどアマチュア界で圧倒的な実績を築いた上で、三段目最下位格付出として2017年に入門しました。若隆景はエリート街道を一気に駆け上がり、兄たちを追い抜くスピードで関取・三役に到達した経緯があります。
長男の若隆元は、入門直後から腰や膝の重い故障に幾度も悩まされ、番付を落としては這い上がるという過酷なプロ生活を余儀なくされました。大相撲のルール上、関取(十両以上)にならなければ給与は支給されず、本場所では弟たちの「付け人」として身の回りの世話や締込みの準備を行う場面もあります。一見すると残酷な格差に映るかもしれませんが、関係者の証言によると、荒汐部屋の内部において長男・若隆元への敬意が揺らぐことは一切ありません。
若元春も若隆景も、公の場のインタビューで口を揃えて「兄(若隆元)が部屋の稽古場を厳しく引き締め、精神的に支えてくれているからこそ今の自分たちがある」と語っています。三兄弟が同時に十両以上の関取として土俵に上がる「史上初の三兄弟同時関取」という偉業は、大相撲界に残された最大のロマンの一つであり、多くのファンが若隆元の関取昇進を熱狂的に応援しています。