「第一ビルが近いうちに取り壊される」という言説は、梅田の大規模再開発プロジェクトが節目を迎えるたびにSNSを中心に拡散されてきました。特にうめきた2期(グラングリーン大阪)の全面街開き以降、周辺エリアの近代化との対比から、建て替えの時期に関する問い合わせが不動産関係者の間でも急増しています。
都市計画関係者や不動産登記データに基づく取材によると、大阪駅前第一ビル(および第二〜第四ビルを含む大阪駅前ビル群)の建て替え構想自体は行政・民間双方で中長期的な検討課題として机上に上がっています。しかし、2026年時点において具体的な解体スケジュールが確定しているわけではありません。
建て替えが進まない最大の要因は、数百名規模にのぼる区分所有者と複雑な借家権の権利調整にあります。1970年の竣工時に旧地権者らが権利変換によって細かくフロアを取得した歴史的経緯があり、全員の合意形成を取り付けるには極めて高いハードルが存在します。関係者の証言によると、「協議会レベルでの勉強会は継続しているものの、現時点で全館立ち退きや工事着手への具体的なロードマップが合意に至った事実はない」というのが客観的な実態です。