東京メトロ日比谷線の神谷町駅を出て、東京タワー方向へ桜田通りを南下すると、突如として異彩を放つ一画が現れる。「メソニック38森ビル」――旧メソニックビルを再開発した近代的なオフィスビルの低層階に、「日本グランドロッジ(The Grand Lodge of Japan)」の本部が置かれている。
内部を取材したメディアの記録や公式公開資料によると、エントランスを抜けた先には、白と黒の市松模様(チェッカー盤)のカーペットが敷き詰められた壮麗なロッジルームが存在する。東西南北の方角に厳格な意味を持たせた設計となっており、東側には「マスター(ロッジの長)」が座る高い椅子、中央には「聖なる書物」を置く祭壇が鎮座する。壁面にはフリーメイソンの象徴である「プロビデンスの目」や石工道具を模した彫刻が並び、厳粛な中世ギルドの伝統を今に伝えている。
都市伝説で囁かれるような「地下壕に広がる秘密の指令室」などは存在しない。オフィスフロアには事務局が置かれ、関連団体である公益財団法人「日本メイスン財団」の執務エリアや、過去の歴史資料を収蔵したライブラリーが整然と並んでいる。関係者が明かすところによると、日中は専任スタッフが社会福祉事業の事務手続きや各ロッジ間の連絡調整を行っており、その執務風景は極めて一般的な財団法人のオフィスと何ら変わりない。