愛犬の口内にしこりを見つけた際、飼い主が最も知りたいのは「これが良性なのか、それとも命に関わる悪性腫瘍なのか」という点です。動物病院の臨床写真や病理診断において、犬の口の腫瘍の写真や見分け方にはいくつかの明確な視覚パターンが存在します。
まず、犬の歯茎のできもので良性・悪性を分ける典型例として挙げられるのが「エプリス」と「悪性腫瘍」の違いです。良性腫瘍の代表格である犬のエプリスの画像や臨床所見では、歯肉と同じピンク色をしており、表面が比較的滑らか、あるいは軽度のカリフラワー状で、周囲組織を破壊しながら急拡大することは稀です。歯周靭帯由来の線維性エプリスや骨形成性エプリスが多く、局所的な切除で良好な経過をたどります。
一方で、警戒すべき悪性腫瘍には以下のような肉眼的な特徴が顕著に現れます。
犬の口腔内メラノーマの画像で確認される病変は、メラニン色素沈着による「明らかな黒色・暗褐色のかたまり」が特徴です。ドーム状に盛り上がり、表面がもろく出血しやすい状態が目立ちます(ただし、色素を伴わない無色素性メラノーマも存在するため、赤やピンクだからと油断はできません)。
次に、犬の扁平上皮癌の口腔画像では、歯肉や舌、扁桃にクレーターのような潰瘍(えぐれ)やびらんを形成し、赤くただれた肉芽組織として観察されるケースが多発します。骨を溶かす侵食性が極めて高く、歯がグラグラと動揺する原因にもなります。
また、犬の線維肉腫が口腔内に発生した場合、硬く引き締まった結節が顎の骨に固着するように現れます。表面粘膜は一見正常に見えることがありますが、深部で根深く広がる性質を持ち、大型犬での発生率が高い傾向にあります。