SNSや口コミサイトを調査すると、「見た目は華やかなのに味がほとんどしない」「きゅうりや大根を食べているみたいだった」という失望の声が一定数見受けられます。なぜこのようなギャップが生じるのでしょうか。その背景には、果実の糖分構造と収穫サイクルという2つの明確な理由があります。
第一の理由は、ドラゴンフルーツに含まれる糖分の主成分が「ブドウ糖(グルコース)」である点です。マンゴーやメロンに多く含まれる「ショ糖(スクロース)」や「果糖(フルクトース)」に比べて、ブドウ糖は舌に感じる甘みの立ち上がりが穏やかで、甘ったるさを感じさせません。また、果物特有の酸味(クエン酸など)が極端に少ないため、味の輪郭がぼやけやすく「味が薄い」と知覚されやすいのです。
第二の理由は、ドラゴンフルーツが「非追熟性(クライマクテリック型ではない)」の果物である点です。バナナやキウイのように、収穫後に室温で放置しても糖度が増すことは一切ありません。特に輸入品は輸送時間を考慮して早採りされるケースが多く、完熟前の状態で店頭に並んだものは甘みが乗り切っていないのが実情です。沖縄県産や鹿児島県産などの国産品で、樹上でギリギリまで完熟させたものは糖度15度前後に達し、本来の濃密な甘みを楽しめます。