山田裕貴さんの温かい人間性を育んだのは、愛知県名古屋市にある実家の温かな家族環境です。山田裕貴さんの家族構成は、父・和利氏、母、裕貴さん、そしてモデルとして活動する妹の山田麻生(まい)さんの4人家族。家庭内では決して野球を強要されることはなく、父は常に「自分で決めたことなら、最後まで責任を持ってやりなさい」と息子の主体性を尊重し見守り続けていました。
この親子の絆を象徴する歴史的な瞬間となったのが、2018年8月10日にナゴヤドーム(現・バンテリンドーム ナゴヤ)で行われた中日ドラゴンズ公式戦の始球式です。
マウンドに上がった山田裕貴さんの背中には、父・和利氏が現役時代に中日で背負っていた背番号「30」が輝いていました。かつて途中で逃げ出してしまったマウンドに、俳優という自らの選んだ道で一人前になって戻ってきた瞬間でした。見事なノーバウンド投球を披露した直後、山田さんはグラブで顔を覆い、あふれ出る涙を堪え切れませんでした。
「父が立っていたこの神聖な場所に、違う形だけれど胸を張って立つことができた」。この光景は球場を訪れたファンだけでなく、全国の野球ファンやドラマ視聴者の胸を強く打ちました。偉大な父へのコンプレックスを克服し、親子の魂がグラウンドで真に繋がった瞬間として、今なお語り継がれています。