キーくんと倫子の関係性は、原作漫画とテレビドラマ(日本テレビ系列)、さらにその3年後を描いたスペシャルドラマ『東京タラレバ娘2020』において、それぞれ異なるニュアンスとアプローチで描かれました。メディアごとに変容した結末と構造の違いを、客観的データに基づいて比較検証します。
原作漫画の最終回において、作者の東村アキコ氏は安易なハッピーエンドを選択しませんでした。倫子とKEYは互いの想いを吐露し合いながらも、「すぐに恋人同士になって同棲や結婚をする」というステレオタイプな結末には至りません。KEYはモデルとして海外への挑戦を含めた自らの足で立つ道を模索し、倫子もまた脚本家として自立した歩みを進めるという、大人のリアリズムが色濃く残る幕引きとなりました。
対して2017年の連ドラ版最終回では、倫子が本命であった早坂哲朗(演:鈴木亮平)との結婚式目前で「自分の本当の気持ち」に気付き、走ってKEYの元へと向かいます。橋の上で佇むKEYと抱き合い、恋人としての確固たるスタートラインに立つ爽快なクライマックスが描かれました。さらに2020年のスペシャルドラマでは、36歳となった倫子が別の男性との結婚破棄を経験する中で、米国から帰国したKEYと再会。「お前は前を向いて歩いていけ」と背中を押し合う、極めて洗練された自立の絆が描かれました。