まずは、佐賀県唐津市鎮西町名護屋に拠点を置く本家『いかの活造り 大和(ika-yamato.com)』の実態に迫ります。観光地のイカ活き造り店といえば「完全予約制で数週間前から埋まっている」「天候次第の時価で会計がいくらになるか不安」といったハードルがつきものですが、同店が多くのリピーターに愛される理由は、その対極を行く徹底した利用者目線にあります。
現地取材および店舗の公式資料によると、大和の店主はいかの活き造りを呼子の地でブレイクさせたパイオニア「河太郎」で本格的な板前修業を積み、いかの活き造りをメインに据えた2号店として独立を果たした正統派の血統を持ちます。店内は1階と2階を合わせて全80席のお座敷が広がり、名護屋湾の風情を感じながらゆったりと食事を楽しめる構造で、団体利用の貸切にも柔軟に対応しています。
何より旅行者にとって最大のメリットは、多くの名店が事前予約を義務付けるなかで「予約不要(当日来店順の受付)」を貫いている点です。旅先で分刻みのスケジュールに縛られたくない層にとって、当日の混雑状況に応じて受付表に記名し、専用の呼び出しベルを受け取って自家用車内で快適に待機できるオペレーションは極めて高い評価を得ています。
さらに、多くの海鮮料理店が「時価」表記でお茶を濁しがちな活イカ定食において、明朗な定食価格(1人前あたり3,000円〜3,800円前後)を提示。店舗に隣接する巨大生け簀には常時100杯以上の元気なイカが回遊しており、注文が入る直前まで海水中を高速で泳ぎ回っていた極上の個体が、熟練の手練れによって瞬く間に姿造りへと仕立てられます。
また、古くからの常連客が口を揃えて絶賛するのが、定食に添えられる「えびが丸ごと3匹入ったえびの味噌汁」の深いコクと、活きの良いイカの身を贅沢に使った「イカ丼」の存在感です。板前修業時代から培われた出汁へのこだわりと、呼子の海の恵みが凝縮された一杯は、姿造りと並ぶ看板メニューとして揺るぎない地位を築いています。