黒住教の成り立ちを理解するためには、黒住教の歴史と幕末の由緒を知ることが欠かせません。教団の創始者である教祖・黒住宗忠(くろずみ むねただ)の経歴は、江戸時代後期の文化11年(1814年)に遡ります。
備前国(現・岡山県)の今村宮の神官の家に生まれた宗忠は、両親を相次いで亡くした極度の悲しみから重い肺結核を患い、死の淵をさまよいました。しかし、1814年の冬至の朝、昇りゆく朝日に向かって祈りを捧げた際、心身が太陽の光に満たされる神秘体験(天照大御神との一体化=「天命直授」)を経験し、奇跡的に病を克服したと伝えられています。
この体験をもとに、宗忠は自らの信仰を体系化し、人々の病気治療や心の救済を始めました。これが黒住教の起源です。現在、岡山県岡山市北区尾上にある黒住教の本部「神道山(しんとうざん)」は、豊かな自然に囲まれた聖地として整備されており、全国の門信徒が集う信仰の中心地となっています。