50代半ばを迎えた2026年現在、彼の表現にはこれまでにない深みと軽やかさが同居している。かつてのテンポ感あふれるコメディスタイルに加え、近年では人間の業や哀愁、複雑な内面を抱えた人物像を、静かな佇まいで演じきる場面が増えた。
軽快な語り口の裏に、ふと垣間見える人生の陰影。その落差に、観る者は思わず息をのむ。「面白いおじさん」という記号を超えて、一人の人間が生きるリアリティを削り出す演技。キャリアを重ねてなお、守りに走らず新しい自分を切り拓こうとする姿勢が、若手監督や新進気鋭の劇作家たちを惹きつけてやまない。