部屋を壁で細かく区切る伝統的なLDKの思想も、急速に影を潜めつつある。空間をフレキシブルに可変させる「シームレス・レイアウト」が、都市・地方問わず圧倒的な支持を獲得した。
昼間はワークスペースとして機能していた小上がりが、夜には畳の温もりを感じる小料理屋風のくつろぎスペースへと姿を変える。可動式の格子戸や、光を通す半透明のパーティションを駆使することで、視線や音を緩やかにコントロール。家族が同じ空間に居ながらにして、互いの存在を気に病むことなく個々の時間に没頭できる。遮断するのではなく「緩やかにつなぐ」。この絶妙な距離感こそが、家庭内の緊張感を劇的に和らげる秘訣となっている。