決定的な分裂をもたらしたのは、二人の父親であり師匠でもあった初代貴ノ花(花田満)の悲劇的な去り際だった。「角界の御曹司」として育てられた二人を繋ぎ止めていた唯一の絆は、父の死去によって破綻を迎える。
遺産相続の不透明さや名跡の継承問題、そして伝統ある二子山部屋の運営を巡る路線対立。それまで表面化していなかった感情の軋轢が、父の死を境に一気に噴出する。日本相撲協会内部のパワーバランスも絡み合い、その騒動は連日メディアを席巻。まるで波乱に満ちた芸能ドキュメンタリーのように、日本中がその愛憎劇を貪るように見つめたのだった。