「SUN」という楽曲の持つ底抜けの明るさを真に理解するためには、星野源が経験した過酷な闘病の経歴を避けて通ることはできません。2012年末、そして2013年夏の二度にわたるくも膜下出血により、彼は長期の活動休止と過酷な手術、リハビリを余儀なくされました。
当時の手記や公式インタビューによれば、暗く無機質な病室のベッドの上で天井を見つめながら、彼が強く渇望したのは「内省的で静かなアコースティック・フォーク」ではなく、「体が勝手に動き出し、誰もが笑顔で踊れる最高に明るいポップミュージック」だったと語られています。
その強い渇望が結実したのが、2015年5月27日にリリースされたシングル「SUN」でした。フジテレビ系ドラマ『心がポキッとね』(阿部サダヲ主演)の主題歌として書き下ろされた本作は、傷つき心を痛めた現代人に対し、無理な励ましを与えるのではなく「壊れそうな夜が明けて、光が差し込む瞬間」を軽やかに提示しました。
暗闇を知る者だからこそ描ける本物の光――それこそが「SUN」というタイトルの根源であり、リスナーの胸を打つ最大の理由です。