脳の血管トラブルを総称する「脳卒中」には、主に3つのタイプが存在します。血管が詰まる「脳梗塞」、脳内の細い血管が破れて組織内に出血する「脳出血」、そして脳の表面を覆う膜の間に出血が広がる「くも膜下出血」です。なかでも混同されやすい脳梗塞とくも膜下出血ですが、病態の根本は「詰まる病気」と「破れる病気」という完全な対極にあります。
脳梗塞は、動脈硬化や不整脈(心房細動など)によって生じた血管の閉塞と血栓が原因です。血流が途絶えることで酸素や栄養が届かなくなり、数分単位で脳細胞が壊死していきます。発症は日中の活動時だけでなく、就寝中や起床直後の脱水時にも多発するのが特徴です。
対照的にくも膜下出血は、脳の太い動脈にできたコブ(動脈瘤)が限界を迎えて破裂する脳動脈瘤の破裂が全体の8割以上を占めます。破れた動脈から吹き出した高圧の血液が、脳とくも膜の間のスペースを満たし、脳全体を強烈な圧力で圧迫します。排便時のいきみ、重い荷物を持ち上げた瞬間、寒暖差による血圧スパイクなど、血圧が急上昇した瞬間に引き金が引かれるケースが目立ちます。