中学校合唱コンクールのプログラム表紙や合唱祭パンフレットの多くは、予算の都合上モノクロ白黒印刷で刷られます。カラー原稿として募集された場合でも、最終的な印刷用紙(白や色上質紙のアイボリー、ライトブルーなど)には単色インクで刷られるケースが大半です。モノクロ印刷で息をのむような美しい仕上がりを実現するには、確かな技法が存在します。
第1の原則は、「主線には必ず黒のミリペン(ピグマやコピックマルチライナー等)を使用する」ことです。HBやBの鉛筆だけで仕上げた原稿を提出する生徒がいますが、学校のスキャナーで読み込んだ段階で薄い線が消え去り、白飛びを起こします。外枠や手前のメインモチーフには0.8mm〜1.0mmの太いペンを用い、奥の背景や細かい装飾には0.1mm〜0.3mmの極細ペンを使い分けることで、モノクロであっても豊かな遠近感が生まれます。
第2の原則は、明暗の表現に「グレーの塗り」を使わず、「線によるハッチング(斜線重ね)やドット(点描)」を駆使することです。漫画やエッチング版画で用いられるカケアミ技法を取り入れると、リソグラフ印刷を通しても線が潰れず、均一な陰影としてシャープに出力されます。
第3に、「漆黒のベタ」を意図的に画面の2割から3割に配置してください。例えば、ピアノのボディ、生徒の制服や髪の毛、夜空の背景などをしっかりと黒インクで塗りつぶします。画面の中に「最も明るい白(紙の地色)」と「最も暗い黒(ベタ)」の明確なコントラストが存在することで、印刷物が並んだ際、遠目からでも強烈な視覚的インパクトを放つのです。