九州の食文化は、独自の発展を遂げてきた。豚骨ラーメンやうどんチェーン、そして長年地域に愛されてきた地場ファミリーレストランが強固な地盤を確立していたからだ。だが、その強固な城壁に風穴を開けたのが、イタリアンワイン&カフェレストランの進出である。
地元飲食業界の関係者は口をそろえて「次元が違う」と焦りを隠さない。世界的な原材料高が叫ばれる昨今、外食業態全体が客単価の上昇を余儀なくされている。その中にあって、ワンコイン以下で満足できる温かい一皿を提供する存在は、消費者の財布を強く惹きつけて放さない。特に若年層や子育て世代における消費行動の変化は劇的で、週末の郊外型店舗では駐車場を埋め尽くす車の列が日常風景となりつつある。