ネット上の掲示板やSNSでは、時折「松嶋菜々子はひまわり初期、演技が下手すぎて降板寸前だった」といった極端な噂が囁かれることがあります。しかし、当時の番組制作現場の記録や公式インタビューを精査すると、この言説は明らかな誇張と事実誤認であることが分かります。
確かに放送開始直後の第1週から数週にかけては、長台詞のイントネーションや法廷用語の発音にぎこちなさが見られ、一部の批評家から「モデル出身特有の硬さがある」と指摘された事実はありました。しかし、演出陣は当初から彼女の「未完成な初々しさ」こそが、司法修習という不慣れな世界で悪戦苦闘するのぞみの境遇とシンクロすると判断していました。
撮影現場では、連日深夜に及ぶマンツーマンの発声指導やリハーサルが敢行され、松嶋自身も膨大な専門用語をノートに書き出して丸暗記するなど、凄まじい執念で課題を克服していきました。物語が福島ロケ編から本格的な修習編へと移る初夏を迎える頃には、感情を爆発させる泣きの演技や堂々たる弁論シーンで視聴者を釘付けにし、平均視聴率は25.5%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録。「努力によって批評を賞賛に変えた」というのが歴史の正解です。