ダンサーとしての最大の強みは、つま先から指先、視線のひとつに至るまで感情が漲る「つま先から発せられる言語」にある。卓越したターンアウトと跳躍力はもちろんのこと、動きの「隙間」にある静寂をコントロールする技術が群を抜いている。
静止している瞬間すらも雄弁に物語を語りかける。ヨーロッパの著名な舞踊評論家は「彼女の踊りには、日本の伝統美に通じる『間』の美学と、西洋バレエのダイナミズムが奇跡的な高次元で同居している」と分析する。単なる技の誇示ではない。身体という楽器を鳴らし切り、観客の無意識に直接訴えかけるパフォーマンスこそが、言葉の壁を越えて世界を魅了する本質だ。