笹木咲のキャリアを語る上で欠かせないのが、2018年11月の卒業(引退)と、2019年1月の電撃復帰という前代未聞のドラマです。
引退の直接的な理由は、「やりたいゲーム(主に任天堂タイトル)が自由に配信できないこと」に対する葛藤でした。2018年当時のVTuber業界および運営会社(ANYCOLOR/旧いちから)は、任天堂著作物の商用利用許諾ガイドラインへの包括的な締結プロセスの途上にあり、配信許諾が下りないタイトルが多く存在しました。任天堂ゲームへの強い情熱を持っていた彼女は、方針の折り合いがつかず一度は活動継続を断念した形です。
転機となったのは2018年11月末、任天堂が「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」を発表したことです。法人・個人を問わずガイドラインに沿った配信環境が整ったことで、運営側と笹木咲本人の間で再契約に向けた協議が急速に進展しました。
結果として卒業からわずか約2ヶ月後の2019年1月16日、オリジナルソング『笹木は許された』の動画投稿とともに電撃復帰を発表。自身の引退と復帰を自虐的なユーモアと軽快なラップで昇華させ、視聴者のみならず業界全体を巻き込む大反響を呼びました。