「夜驚症は子どもの病気」という従来の常識に反し、近年話題を集めているのが成人期の発症である。大人の夜驚症(Adult Night Terrors)は、子どものそれとは異なり、自然軽快しにくい特徴を持つ。
成人の発症原因として最も頻繁に挙げられるのが、深刻な精神的ストレス、PTSD(心傷後ストレス障害)、アルコールの過度な摂取、そして睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの上気道閉塞障害だ。特にSASによる一時的な低酸素状態は、脳を強制的に不完全覚醒へ追いやる強力な因子となる。
大人の発症の場合、体格が大きいぶん自傷行為や同居者への危害、器物破損のリスクが飛躍的に高まる。パートナーを無意識に殴ってしまったり、窓ガラスを破ろうとしたりする極めて危険な行動へ繋がる報告もあり、早期の専門医受診が不可欠とされる。