母なる大地そのものを祀るこの地には、悪縁を断ち切り、新たな生命力を吹き込む強烈な「再生のご利益」が宿ると信じられてきた。伊邪那美命の御陵岩に向かい合うように佇む軻遇突智尊の御陵にもまた、激しい生命の火を鎮め、調和をもたらす祈りが捧げられている。
参拝者を惹きつけてやまないのが、毎年2月2日と10月2日に執り行われる「お綱掛け神事」だ。日本最古の奇祭とも称されるこの儀式では、氏子たちが綯い上げた約170メートルもの大綱が、高さ45メートルの岩窟頂上から御神木へとダイナミックに渡される。神と人とを直接結ぶこの綱が天空を渡る光景は、圧巻の一言に尽きる。神事の際に掛けられた綱の切れ端や、神威を宿す白石には、無病息災や子孫繁栄、所願成就を祈る強い念が込められている。
授与所で頒布される限定御朱印への注目度も極めて高い。地元熊野の手漉き和紙に、巨岩と御綱をモチーフにした朱印が力強く押印された限定仕様は、手にするだけでその重厚な霊威が伝わってくる。社殿なき原初の神域だからこそ授かることのできるこの証は、日々の喧騒で疲弊した心をリセットし、運気を劇的に好転させる象徴として全国の参拝者から絶大な支持を集めている。