一般市民が刑務所の味を体験できる貴重な機会が存在する。日本最大規模の施設である府中刑務所で毎年開催される文化祭(矯正展)だ。ここで販売される「監獄食レシピ」の弁当や、刑務所内で焼かれたコッペパンは大行列ができるほどの人気を誇る。
実際にこの弁当を食べた来場者の多くは、「塩分控えめなのに出汁が効いていて美味」「健康的な味」と感銘を受ける。しかし、これが「豪華」と感じられるのは、現代人の普段の食生活がいかに濃い味付けや添加物、脂質に偏っているかの裏返しに過ぎない。法務省が監獄食の試食を提供する真の狙いは、受刑者を贅沢させているとアピールすることではなく、科学的な栄養管理がいかに生活習慣病の予防に役立っているかを啓発することにある。