色鮮やかな青い海に囲まれた南イタリアの青の洞窟で知られるカプリ島。この地で生まれたとされるクラシックな料理は、いまやイタリア料理の枠を超え、世界各国のダイニングで愛される名物アンティパストとして君臨している。トリコロールカラーの見た目は、まさにイタリア国家へのオマージュそのものだ。
近年のグローバルな食品産業においては、流通技術の劇的な進歩によって年間を通じて高糖度のトマトやフレッシュなチーズが手に入る環境が整った。しかし、本場ナポリの伝統を守る料理人たちは「シンプルだからこそ、下処理のわずかな違いが料理の命運を分ける」と揃って口にする。