そもそも、原作コミックにおいて作画の原哲夫と原作の武論尊が世に送り出したハートは、物語初期の強敵シン率いる「KING」の幹部として登場した。相手の打撃を肉体で無効化する「拳法殺し」の特性は、当時のバトル漫画界に強烈なインパクトを与えた。
ケンシロウの「北斗柔破斬」によって倒されるまでの出番は決して長くはなかった。だが、劇画調の圧倒的な描き込みと狂気的なキャラクター造形が相まって、読者の記憶に深く刻み込まれた。硬派な格闘描写が続く中で、彼の異彩を放つデザインと人間味あふれる取り乱しぶりは、単なる噛ませ犬にとどまらない強烈な存在感を放っていた。