『私はピアノ』はその後も、ジャンルや世代の垣根を越えて数多くの実力派アーティストによって歌い継がれてきました。
中でも特筆すべきは、歌姫・中森明菜によるカバー(アルバム『歌姫』収録)です。中森明菜は持ち前の低音の響きとドラマチックな表現力で、夜の静寂と退廃的な美しさを際立たせ、原曲とはまた異なる退廃的な艶を吹き込みました。
さらに、研ナオコによる気だるいアンニュイさを漂わせた歌唱、JUJUによる現代的で洗練されたネオ・ラウンジ風のアプローチ、ジェロによる演歌の情緒を取り入れた歌唱など、歌い手によって全く異なる表情を見せます。どのカバーにおいてもメロディ自体の骨格が揺らぐことはなく、楽曲自体のポテンシャルの高さを証明しています。