結論から言えば、スパムの主原料は「豚肉」だ。それも単なる端切れ肉ではなく、主に豚肩肉(ポークショルダー)とハムを組み合わせて作られている。かつて豚肩肉は骨が多くて解体が難しく、商品価値が低い部位とされていたが、ここに旨味の強いハムの部位を絶妙な割合でブレンドすることで、あの独特の食感とジューシーさが生まれた。
缶の中身の90%以上は贅沢な豚肉そのものだ。これに水、食塩、つなぎとしての加工デンプン、砂糖、そして鮮やかなピンク色を保つ少量の亜硝酸ナトリウムが加わる。防腐剤や過剰な化学添加物は使われていない。食品加工業の現場では、生の原料を缶に詰めて密封した後に缶ごと加熱調理する技法が採られている。缶の中でじっくり火が通るため、肉汁が外に逃げず、旨味がギュッと凝縮されたスパムランチョンミートが完成するのだ。