ヘレナ・ボナム・カーターの現在と真相|破局と新恋人、怪演の軌跡

ヘレナ・ボナム・カーターの現在と真相|破局と新恋人、怪演の軌跡

ヘレナ・ボナム・カーターの現在と真相|破局と新恋人、怪演の軌跡の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

近年の「エキセントリックな怪演女優」というイメージしか持たない若い世代にとって、ヘレナ・ボナム・カーターの若い頃の姿は息をのむほどの衝撃を与えるはずです。

彼女のルーツは、英国の歴史そのものと言っても過言ではありません。父方の曽祖父は第一次世界大戦期に大英帝国を率いた第52代英国首相ハーバート・ヘンリー・アスキスであり、母方の祖父は第二次世界大戦中に数千人のユダヤ人を救出した外交官エドゥアルド・プロッパー・デ・カレホンという、筋金入りの名門名家出身です。名門女子校セント・ポールズ・ガールズ・スクールを卒業し、知性と気品を生まれながらに備えていました。

そんな彼女が10代後半から20代前半にかけて映画界に躍り出たとき、映画ファンはその非現実的な美しさに息を呑みました。ジェームズ・アイヴォリー監督の文芸名作『眺めのいい部屋』(1985年)で演じた主人公ルーシー・ハニーチャーチ役では、白磁のような肌と豊かな黒髪、無垢な瞳を持つヴィクトリア朝の美少女として世界中を虜にしました。続く『モーリス』(1987年)、『ハワーズ・エンド』(1992年)でもクラシカルな美を体現し、メディアから「コルセット・クイーン(コルセット劇の申し子)」の称号を授けられます。

しかし、彼女自身はこの「清純派・英国のお嬢様」という固定されたパブリックイメージに強烈な息苦しさを感じていました。彼女の反骨精神が爆発したのが、30代を迎えて挑んだデヴィッド・フィンチャー監督の傑作『ファイト・クラブ』(1999年)です。

演じたマーラ・シンガー役は、ボサボサの髪にチェーンスモーキング、退廃的なグランジファッションに身を包み、死生観の崩壊したサポートグループに入り浸る自滅的な女性でした。かつてのコルセット・クイーンの面影を木っ端微塵に打ち砕くこの怪演は、批評家たちを震撼させました。自らの手で「優等生の殻」を叩き割ったこの決断こそが、その後の彼女の輝かしいキャリアを決定づけたのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。