マンモグラフィーの最大の盲点として医療界で議論されているのが、「高濃度乳房(デンスブレスト)」の問題です。高濃度乳房におけるマンモグラフィーのデメリットは、診断精度の著しい低下にあります。
マンモグラフィーの画像上では、脂肪組織は「黒」く写り、病変(腫瘍)や石灰化は「白」く写ります。しかし、母乳を作る乳腺組織も同じく「白」く写る性質を持っています。乳腺の割合が多い高濃度乳房の女性がマンモグラフィーを受けると、画像全体が真っ白に霞んでしまい、白い乳腺の中に潜む白いがん病変が完全に隠れてしまうのです。これは「雪山の中で白うさぎを探すようなもの」と例えられます。
日本人女性の約7割から8割がこのデンスブレストに該当すると言われており、特に脂肪に置き換わっていない若い世代ほどその傾向が顕著です。高濃度乳房の場合、マンモグラフィー単体でのがん検出感度は50%以下にまで落ち込むケースが報告されており、これこそが「検診を受けていたのに見落とされた」という悲劇を生む元凶です。そのため、有効なデンスブレストの見落とし対策として、乳腺の隙間を超音波で観察できるエコー検査の併用が強く推奨されています。