前田敦子のビジュアルヒストリーを語る上で欠かせないのが、アイドル界の頂点へと駆け上がる過程でリリースされた初期の作品群です。2009年に発売されたファースト写真集『はいっ』では、まだあどけなさが残る17歳のリアルな素顔を凝縮。飾らない笑顔と等身大の瑞々しさは、まさにファンが求めていた「あっちゃん」の原風景そのものでした。
翌2010年リリースの『あっちゃん』では、ハワイのまばゆい陽光の下で見せた健康的な水着姿や、ふとした瞬間にこぼれ落ちる大人びた眼差しが大きな話題を呼びました。秋元康氏が名付けた「前田敦子はキリストを超えた」というセンセーショナルな帯コメントとともに、彼女が放つ唯一無二の透明感とオーラはお茶の間に鮮烈なインパクトを残しました。
当時のカットを振り返ると、過度なポージングやメイクに頼らずとも成立する圧倒的な被写体力が際立っています。カメラのレンズ越しに真っ直ぐこちらを見つめる視線には、グループを背負う覚悟と、青春の刹那的な輝きが同居していました。