説得力のある椅子に座るイラストの描き方において、基礎構築の要となるのが骨盤と太もものアタリの取り方です。直立時、骨盤はやや前傾した状態で大腿骨と接続していますが、着座時には骨盤が後ろへ倒れ(後傾)、太ももの付け根である股関節の位置が前面へと押し出されます。このとき、骨盤を単純な「四角い箱」として捉え、底面が椅子の座面と平行になるようアタリを取ることが基本原則です。
さらに見逃せないのが、椅子に座るポーズのパースと重心の相互関係です。頭部・胸郭(肋骨)・骨盤という人体の3大質量ブロックが、鉛直方向に対してどのように積み重なっているかを計算しなければなりません。
座り方による構造の違いを理解するために、以下の変化に着目してください。
まず、椅子に深く座る浅く座るポーズの違いにおける力学的アプローチです。背もたれに深く寄りかかる深座りでは、骨盤が強く後傾し、重心は背もたれ側へと後退します。その結果、背骨全体が丸みを帯びたC字カーブを描き、足先は前方に投げ出されるか脱力した状態になります。一方、座面の先端に腰掛ける浅座りでは、上半身を支えるために骨盤が立ち、背骨はピンと伸びたS字カーブを形成します。この場合、重心は足裏の真上近くに位置するため、いつでも立ち上がれるような緊張感がポーズに宿ります。