衣服の作画を安定させる最短ルートは、最初から服の輪郭線を描くのではなく、素体(人体のアタリ)の上に単純な幾何学立体を配置する手順を踏むことです。パーカーフードの造形は、「下ろした状態」と「被った状態」で力の掛かる支点(テンションの発生源)が根本から変わります。
下ろした状態の基本アタリ形状は、首の後ろに置いた「変形したU字型クッション」と、そこから背中へ逆三角形に落ちる「スロープ」の組み合わせです。まず鎖骨の中心から首の付け根をぐるりと囲む台形の土台を取り、首の後ろ側にボリュームを持たせます。布は重力で下に引かれますが、肩のライン(僧帽筋)に引っかかるため、肩の上面に乗っかる厚みを忘れてはいけません。
一方、フードを深く被った状態では、支点が「頭頂部」へと移動します。布は頭頂部からテントのように吊り下げられるため、頭蓋骨の丸みにそのまま張り付くのではなく、頭頂部と側頭部の間にわずかな「ゆとり(空間)」が生まれます。アタリを取る際は、頭部のアタリ円よりも一回り大きなヘルメットを被せるイメージで外枠を引き、顎から口下にかけて布の縁が布地の厚みを持って落ちていくラインを意識すると、自然な奥行きが劇的に再現されます。