店頭やECサイトで「龍の瞳」を目にした際、誰もが驚くのがその価格設定です。一般的な銘柄米が5kgあたり3,000円前後から4,000円程度で流通している昨今にあっても、龍の瞳の値段は5kgで約6,500円から7,500円前後と、およそ2倍近いプレミアムプライスがつけられています。この高価格が維持されている背景には、大粒品種ゆえの構造的な生産リスクと、徹底した歩留まりの低さが関係しています。
いのちの壱は草丈が高く、台風や秋の長雨によって倒伏しやすい極めて繊細な特性を持っています。また、病害虫の被害を受けやすく、収穫量を増やすために過剰な窒素肥料を与えると、粒が割れたり食味が劇的に低下してしまいます。収量重視の近代農業とは対極にある「低収量・高品質」を徹底しているため、1反あたりの収穫量は通常品種よりも大幅に制限されます。
このように、数値データを突き合わせると、単に「有名だから高い」のではなく、栽培の困難さ、厳格な選別基準、そして物理的な米粒の質量そのものが価格の正当性を形作っていることが明確に分かります。