なぜ「わかりました」が「おかのした」に変形してしまったのか。その元ネタの由来を辿ると、インターネットのダークサイドとも言えるアングラカルチャーに行き着きます。
発祥となったのは、2000年代初頭に制作された男性同性愛者向けの成人ビデオ(いわゆる『真夏の夜の淫夢』シリーズ)に登場する一般出演者の発言です。作品内の濡れ場で、出演者の男性が指示に対して放った「わかりました」というセリフが、極度の緊張と籠もった声質、早口のせいで「おかのした」と聞こえたという、典型的な「空耳(空聴き)」がすべての始まりでした。
その後、2010年代初頭のニコニコ動画におけるMAD動画ブームや、巨大掲示板5ちゃんねるの「なんでも実況J(なんJ)」を中心とするコミュニティで、劇中のセリフを定型文として消費する「淫夢語録(いんむごろく)」という文化が爆発的に流行しました。その語録群の中でも「おかのした」は、日常の返答フレーズとして使い勝手が良すぎたため、文脈を切り離されて表層のネット空間へと流出していったのです。
なお、ネット上では語感が似ていることから「伯方の塩」のCMフレーズと混同されたり、語源ロンダリングのために無理やり塩のネタに結びつけられたりする例もありますが、公式な関係は一切存在しない完全なデマ・風評被害の類です。