「キューピーコーワゴールドでうつ病の症状が和らいだ」という言説がネット上で定期的にバズを生む背景には、うつ病患者を苦しめる最大身体症状の一つである「鉛様倦怠感(えんようけんたいかん)」の存在があります。ベッドから指一本動かせないほどの重圧感、朝起きた瞬間の絶望的な疲労感に対して、服用後30分から1時間ほどで「すっと体が軽くなった」と感じる人が実際に多数存在します。
結論から申し上げると、キューピーコーワゴールドのうつ病への効果として語られる現象は、疾患そのものが治癒したのではなく、一時的な中枢神経刺激とエネルギー代謝の底上げによる疲労感のマスキングです。添付文書上の効能・効果にも明記されている通り、本製品は「滋養強壮」「肉体疲労・病後の体力低下時の栄養補給」を目的とした指定医薬部外品または第3類医薬品であり、精神疾患の根本原因である脳内の神経伝達物質の不均衡を是正する薬剤ではありません。
それにもかかわらずキューピーコーワゴールドの噂の真相がここまで拡散した理由は、うつ病や抑うつ状態に伴う激しい身体疲労に対し、配合成分が短時間で強烈なブーストをかけるためです。本人は「心の病が軽快した」と錯覚しがちですが、実際には疲労シグナルを脳が受け取りにくくなっている状態を作り出しているに過ぎません。