来来亭といえば、麺の硬さ、醤油の濃さ、背脂の量、一味唐辛子の有無、そして「ネギの量」を無料でカスタマイズできる柔軟なオーダーシステムが代名詞です。そこで初心者が必ず抱く疑問が、「通常のラーメンに無料のネギ多めを頼めば、ネギラーメンと同じになるのではないか?」という点です。しかし、この両者にはビジュアル・食感・味わいのすべてにおいて超えられない壁が存在します。
無料カスタマイズの「ネギ多め」で増量されるのは、輪切りにされた一般的な小口切りの青ネギです。スープに浮かべて薬味としての爽快感を楽しむ設計になっています。一方で、独立した一杯として君臨する「ネギラーメン」に鎮座するのは、長さ約10センチメートル前後に美しく切り揃えられた極細切りの青ネギタワーです。
形状の違いは、単なる見た目の問題に留まりません。輪切りのネギはレンゲですくってスープとともに口に運びますが、細切りのネギは細麺と完全に一体化します。箸で麺を持ち上げた際、ネギと麺が1対1の比率で絡みつき、細切りの繊維がスープと液状の豚背脂を毛細管現象のように大量に吸い上げます。噛み締めた瞬間に弾ける青ネギの清涼感と、背脂のコク深い甘みが口の中で同時に爆発する体験は、通常の「ネギ多め」では決して再現できない領域です。