自身が意図せず「痛い出羽守」になってしまわないためには、どのような点に注意すべきか。第一に、制度や文化を比較する際には「トレードオフの視点」を欠かさないことだ。どのような政策や労働環境にもメリットとデメリットが表裏一体で存在する。他国の良さを紹介する際も、その裏にある税負担や自己責任の重さといった文脈を併記する姿勢が求められる。
第二に、「〜では」という主語の大きさを避け、個人の限定的な体験であることを明確に伝える表現を選ぶことだ。「フランスでは全員がこうだ」と主語を肥大化させるのではなく、「パリの私の周辺ではこう見えた」と謙虚かつ正確な主詞を使うだけで、読者に与える印象は劇的に変わる。