映画とドラマが壊すステレオタイプ、「在日」表現の変遷と現在地

映画とドラマが壊すステレオタイプ、「在日」表現の変遷と現在地

映画とドラマが壊すステレオタイプ、「在日」表現の変遷と現在地にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

歴史の歯車は、時に個人の意思とは無関係に大きく回る。戦後の混乱期を経て日本国内にとどまることとなった在日韓国・朝鮮人の歩みは、法務省や出入国在留管理庁が管轄する在留資格制度の変遷とともに刻まれてきた。協定永住から特別永住者制度への移行といった行政上の枠組みは、彼らが日本社会で生き抜くための法的基盤となると同時に、目に見えない社会的な境界線を作り出す要因にもなった。

昭和から平成の初期にかけて、マスメディアやスクリーンに映し出される彼らの姿は、どこか影を帯びた政治的・社会的な「問題」として処理されることが少なくなかった。過酷な歴史的経緯や差別の実態を伝えるドキュメンタリー的アプローチは重要であったものの、そこに暮らす一人ひとりの日常や感情のひだ、愛憎のドラマが娯楽映画として描かれる機会は極めて限定的だったのだ。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。