キングダム ハーツにおけるドナルドの魅力を語る上で、日本語版ボイスを担当する声優・山寺宏一氏の存在は外せません。ドナルドダック特有の「アヒル声(クラッキンボイス)」は、頬の内側に空気を含ませて振動させる極めて特殊な発声技術を要します。
本国ディズニーの厳格な審査をクリアした山寺氏のドナルドボイスは世界最高峰のクオリティを誇りますが、特筆すべきはシリアスなドラマシーンでの圧倒的な演技力です。通常のアニメーションではコミカルな台詞が中心ですが、KHシリーズでは世界の存亡、仲間との別れ、激昂、そして命を賭けた叫びなど、重厚な感情表現が求められます。
あの特殊な発声を維持したまま、プレイヤーの涙を誘うエモーショナルな芝居を完璧に成立させる技術は、まさに声優界の至宝。前述の「ゼタフレア」詠唱時における魂を絞り出すような絶叫は、山寺氏の超絶技巧があったからこそ、ゲーム史に残る名シーンとなりました。