3歳児健診の大きな特徴は、視力と聴力の一次検査を「保護者が自宅で実施して問診票に記入する」という特殊な形式をとる自治体が多い点にあります。この家庭検査の段階で引っかかる、あるいは健診当日の再チェックで精密検査に回されるケースが続出しています。
特に注視すべきは、3歳児健診の視力検査で引っかかる事例です。近年、全国の自治体で「屈折検査機器(スポットビジョンスクリーナー等)」の導入が急速に進み、機械を数秒見つめるだけで遠視・乱視・斜視などのリスクが客観的に判定できるようになりました。その結果、従来の家庭用絵指標では「見えているふり」をしてすり抜けていた弱視のリスクが的確に炙り出されるようになっています。「引っかかってショックを受けた」と嘆く親もいますが、小児眼科医によれば、弱視は視覚機能が発達する8歳頃までに治療用眼鏡を装用すれば十分に矯正が可能です。3歳健診での検知は、子どもの将来の視力を守るための千載一遇の好機と言えます。
また、聴力検査で要再検となる理由の代表格は「滲出性中耳炎」です。痛みを伴わないため親も気づきにくく、耳の奥に液体が溜まって音がこもって聞こえている状態が続くと、当然ながら語彙の獲得や発音の明瞭さに遅れが生じます。「言葉が遅いと思っていたら、耳鼻科で中耳炎を治療した途端に爆発的に喋り始めた」という臨床例は日常茶飯事です。
さらに、多くの親を慌てさせるのが尿検査での潜血・蛋白による再検査です。3歳児の採尿は極めて難易度が高く、トイトレ中の子どもから朝一番の尿を清潔に採取するのは至難の業です。尿道口付近の皮膚が擦れた微細な血液が混入したり、前日の水分不足による濃縮尿で潜血反応が陽性(偽陽性)に出たりすることは日常茶飯事です。再検査や小児科受診を指示されても、重篤な腎疾患である割合はごく一部であり、体質性の無症候性血尿であることも多いため、過度に取り乱す必要はありません。