2020年に放送された大河ドラマ『麒麟がくる』において、本木雅弘が演じた斎藤道三は、従来の「単なる冷酷な悪役」というイメージを根底から覆し、大きな反響を呼びました。
劇中の道三は、金銭感覚にシビアで計算高く、邪魔者を毒殺する冷徹さを持ちながらも、美濃の平和を誰よりも渇望し、主人公・明智十兵衛(光秀)に対して父のように、あるいは師のように接する多面的な人間味あふれるキャラクターとして描かれました。
長良川の戦いで義龍に追い詰められながら「大きな国をつくるのじゃ」と光秀に未来を託して散っていく姿は、道三人気の再燃を決定づけました。最新の歴史研究に基づき、泥臭いリアリズムと壮大なビジョンを併せ持った「新しい戦国武将・斎藤道三像」が定着した好例です。