題名である「サライ」という言葉の響きには、どこか異国情緒と哀愁が漂う。その語源はペルシャ語の「宿」や「休息の場所」、転じて砂漠における「オアシス」を意味する言葉に由来する。旅人が長い道中の果てにたどり着く安らぎの地。作詞を手掛けた谷村新司は、誰もが抱く「心のふるさと」をこの一言に託した。
砂漠の過酷な旅路を人生になぞらえ、疲れ果てた魂が羽を休める場所。それが「サライ」なのだ。故郷を離れて暮らす人々にとって、故郷とは単なる地理的な場所ではなく、いつでも自分を無条件で受け入れてくれる精神的なオアシスにほかならない。タイトルに込められたこの深遠なモチーフが、楽曲全体に崇高な温もりを与えている。