なぜウシジマくんはトラウマ級に怖いのか?現代の闇と重なる狂気

なぜウシジマくんはトラウマ級に怖いのか?現代の闇と重なる狂気

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小学館発行の『週刊ビッグコミックスピリッツ』で長期連載された本作が放つ圧倒的なリアリティは、作者である真鍋昌平の命懸けとも言える徹底的なフィールドワークに支えられている。真鍋は裏社会の住人、現役の闇金業者、多重債務者、風俗嬢、薬物依存症の更生施設関係者に至るまで、自らの足で膨大なインタビューを重ねた。

時に危険地帯へ単身乗り込み、裏カジノの片隅や怪しげな事務所で聞き出した生々しい証言の数々。それがキャラクターの使う独特の符丁や、債務者が追い詰められていく微細な心理変化へと昇華されている。読者が感じる恐怖の正体は、フィクションの枠組みを超えた「剥き出しの取材記録」に直面させられている感覚そのものなのだ。

「漫画のために誇張された作り話であってほしい」という読者の防衛本能は、ページを追うごとに打ち砕かれる。細部の描写があまりにも精緻であるがゆえに、脳がこれを現実の警告文書として受け取ってしまう。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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