乳がん治療の特徴は、手術単体で終わらず、再発予防を目的とした追加治療が長期にわたって行われる点にあります。術後間もない時期に始まる薬物療法や局所治療が、疲労感をさらに強める大きな要因となります。
特にホルモン受容体陽性乳がんで処方されるタモキシフェンやアロマターゼ阻害薬などのホルモン療法による副作用のだるさは代表的です。女性ホルモン(エストロゲン)の働きを急激に抑制するため、いわゆる更年期障害と酷似したホットフラッシュ、睡眠障害、気分の落ち込みとともに、「鉛を背負ったような重さ」を感じる方が少なくありません。
さらに、抗がん剤や放射線治療に伴う疲労感も重なります。放射線治療では、照射部位の正常細胞がダメージを修復するために絶え間なくエネルギーを消費するため、治療開始から2〜3週間目頃に強い倦怠感のピークを迎える傾向があります。これらの複合的な治療スケジュールが、術後の体力をじわじわと削っていく現実があります。