これまでの議論の経緯を振り返ると、審査会の運営は常に政治日程の波に翻弄されてきた。毎週木曜日の定例開催が慣例化している衆議院憲法審査会では、自由討議形式による意見交換が積み重ねられてきたものの、実質的な条文化作業(起草作業)に着手する段階で幾度となく急ブレーキが踏まれてきた背景がある。
2026年現在の国会勢力図において、改憲に前向きな勢力は一定の議席を維持しているものの、憲法改正の発議に求められる「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」というハードルは依然として高い。衆議院で発議ラインを視野に捉えていたとしても、熟議を重んじる参議院憲法審査会では会派間の力関係がより均衡しており、衆参両院の歩調の乱れが顕著になっている。
審査会の運営を司る憲法審査会メンバーの間では、幹事会の主導権争いが熾烈を極める。審査会長が職権で委員会を立てようとすれば、野党筆頭幹事が猛烈に反発して審議拒否を示唆するなど、憲法審査会日程の確定そのものが高度な政局的駆け引きの道具として使われている。形式的な「開催実績」を作りたい推進派と、慎重な手続き論を盾にして日程を先送りさせたい慎重派の間で、水曜夕方の幹事懇談会は毎週のように緊迫した空気に包まれている。