「なぜ特定の層に多いのか」という疑問に対し、医学が明確に答えているのが膠原病が女性に多い理由です。膠原病は単一の病名ではなく、本来は体を守るべき免疫システムが自分自身の正常な細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患の総称ですが、その大部分で圧倒的に女性の罹患率が高くなっています。
厚生労働省の指定難病データや日本リウマチ学会の資料によると、代表的疾患であるSLEの男女比はおよそ1対9と極端に女性へ偏っています。発症の好発年齢は20代〜40代であり、いわゆる性成熟期・妊娠出産可能年齢と完全に一致します。
自己免疫疾患に女性が多い理由の鍵を握るのが、女性ホルモン(エストロゲン)と免疫系の相互作用です。エストロゲンには免疫細胞を活性化させる働きがあり、妊娠中に母体を感染症から守る役割を果たす一方で、過剰な自己抗体の産生を促す引き金にもなり得ます。また、免疫関連遺伝子が集中する「X染色体」を女性が2本持つことも、発症リスクを高める要因として研究が進められています。つまり、美醜ではなく「内分泌環境と遺伝的素因」が性差を生み出しているのです。