健康やダイエットを意識するあまり、「植物油すら使わない完全なノンオイル食パン」を日常食にしようとする方が増えています。しかし、ここには製パンの実用面における見落としがちな盲点が存在します。
完全ノンオイルの食パンは、いわば「食パン型で焼いたフランスパン(リーンなパン)」です。焼き立ての数時間は外側がパリッと芳ばしく極めて美味しいものの、焼き上がりから6時間を経過するとデンプンの老化(硬化)が急速に進行します。
トーストし直さなければ噛み切れないほど硬くなるため、「毎朝の朝食に手軽に柔らかいパンを食べたい」「お弁当のサンドイッチに持参したい」という用途には不向きです。日常の扱いやすさと日持ちを両立させるのであれば、油脂ゼロに固執せず、オリーブオイルやサラダ油を少量(8〜10g)添加するスタイルが最も合理的です。